【2007年4月19日】
インフルエンザ治療薬「タミフル」について、厚生労働省は19日までに、処方はA型かB型のインフルエンザと診断された患者だけを対象とするよう、輸入販売元の中外製薬に添付文書の再改訂を指示した。これまで、熱のある患者らにウイルス検査をせず安易に処方する例があると指摘されていた。
併せて
「幼児や高齢者に比べ、他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること」
との記載も指示した。中外製薬は改訂作業を進めている。
2点の再改訂について厚労省は「処方をより慎重に判断するよう、医療関係者に注意喚起を徹底するため」と説明している。
同省は3月、異常行動が相次いだことを受けて10代への処方を原則中止とする警告を添付文書に記載するよう中外製薬に指示したばかり。
4月4日に開かれた薬事・食品衛生審議会の調査会で、同省はタミフル服用後に何らかの異常な行動を起こした128人の事例を報告。うち9人はインフルエンザウイルスに感染しておらず、26人は検査を実施しなかったなどの理由で感染の有無が不明だった。委員からは「熱があるだけで自動的にタミフルを処方する医師がいる」と指摘を受けていた。
さらに、幼児や高齢者のインフルエンザによる死亡率の高さに比べると、
特に20〜40代は死亡率が低く、大多数は約1週間で自然治癒することから、
添付文書中の「効能・効果に関連する使用上の注意」にこうした情報も記載する必要があると判断した。